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日刊 温暖化新聞|エダヒロはこう考える

20080223

温暖化の時代にマスコミが果たすべき役割

温暖化をはじめとする世界が直面する問題解決に向けて、マスコミはとても大きな役割を担っています。

それは、「少数の人がライフスタイルを激変させるより、多数の人が1%ずつ生活を変えるほうが、二酸化炭素の排出が減り、温暖化を食い止めるに役に立つ」からです。

私は年間数十回、全国で環境講演会を行っています。しかし、「環境」講演会に足を運ぶ人はもともと意識の高い人たちです。そのような人々に新しい情報や考え方を伝えることも重要ですが、自分からは「環境」講演会に足を運ばない大多数の人々の意識と生活を、どのように変えていったらよいのか?――いつもそう考えます。

その意味でも、多くの人々に繰り返し大事なメッセージを伝えられるマスメディアの役割が、ますます重要になることは間違いありません。

民放に期待することは、大きく2つあります。

1つは、人々の意識や行動を変えるため、バラバラの情報ではなく、問題の「構造」を伝えることです。

具体的には、目の前の「温度が何度上がった」「氷が解けた」という出来事レベルの情報だけではなく、「温度の長期的な傾向はどうなのか?」「氷の面積はこの数十~百年間、どう変化しているのか?」という、長い時間軸でのパターンや傾向を伝えることが重要です。そして、その傾向やパターンを生み出している構造を伝えること。構造が変わらない限り、問題は繰り返し起きるからです。

そしてもう1つ大事なこと。残念ながら、今後温暖化をはじめ、状況は悪化していきます。そうしたときに、絶望に陥る人が増えていくでしょう。

人はいったん絶望してしまうと、物事を変えるための行動をとらなくなってしまいます。そうすれば、温暖化はますます悪化の一途をたどってしまいます。

そのような状況悪化の時代には、幸せな時代に好まれるショッキングな情報や刺激的な情報とは異なる情報が求められるでしょう。

例えばいつも希望を伝えて励ましてくれる、「希望の泉」のような情報源。これは、人類を破滅に向かわせないためのマスコミが担うべき重要な役割ではないかと思うのです(社会が大混乱に陥っては、マスコミも今のような仕事はできなくなるでしょう。つまり、マスコミ自身の将来のためでもあるのです!)。

石油会社だったBPは、ある段階で「自分たちは石油会社ではない。エネルギー会社だ」と自社の存在意義を定義し直し、「BPとはBritish Petroleumではなく、Beyond Petroleum(石油を超えて)」であると宣言しました。

時代が変われば、その社会における存在理由も変わっていきます。温暖化が悪化し、エネルギー資源がひっ迫し、ますます加速度的に混乱の様相を示すであろう今後の社会のなかで、民放はマスメディアとして、どのような役割を果たすべきなのか。何を目的として、どのような存在でいるべきなのか――ちょっと立ち止まって、問い直し、視聴者にも考え直すきっかけや時間を提供して下さい。

(『民間放送』 2007年12月23日号への寄稿)

 
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